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こういった大勢のミュージシャンが集まるチャリティ・コンサートを見に行く人々は、やはりお目当てのアーティスト以外にはそれほど興味はないのだろうし、コンサートの趣旨にもどれだけ関心を持っているのか怪しいものだが、一時期話題になったホワイトバンドがそうであったように、関心があろうとなかろうととにかく金が集まればいいのだというドライな考え方もあるのだろう。
実際、配信元の
LIVE EARTHのサイト を見ると参加アーティストを紹介するページばかりが全面に出ていて、環境問題に関する既述は少し奥に入り込んで行かないと読むことができない。これでは僕も含めて、このサイトを訪れるほとんどの人は素通りしてしまうと思う。
ただ、その中にあったチャリティ・コンサートの歴史と意義について書かれている記事がなかなか面白かったので、リンクを張っておきます。
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慈善コンサート小史:「バングラデシュ」からLive8まで 他にも環境問題に関する記事が30ほどあるので、興味のある人は探してみて欲しい。
さて、ライヴの話である。
配信されていた動画は、生中継ではなく録画されたものだったにもかかわらず、保存したり飛ばし見したりできない仕組みになっていたので、mixiのコミュニティの情報を頼りにCoccoが出てくる朝の5時までだら見しながら待っていた(が翌日の昼にもループ放送されていた。。)。
各アーティストが5曲ぐらいずつ演奏し、合間に参加している環境保護団体のメンバーによるPRが入るのだが、そこだけ大学のサークル活動をしているような素人臭い空気が湧き出るせいもあって、やはりほとんどの観客は聞いていないみたい。僕も明るくなって来た空を見ながら「そんなことよりCoccoはまだかなー」と、まるで聞いちゃいなかったし。
そうこうしているうちにようやくCoccoの出番になった。他のミュージシャンがエレキをがなり立てる中、アコースティック・ギターの長田 進とのデュオという編成。Coccoのライヴを見たことがある人はわかると思うけど「あっちゃん野放しコーナー」みたいなかんじ。
まるで道ばたで人に聞かせるような感じで演奏が始まった。
1曲目は「強く儚い者たち」。アコースティック・バージョンは初めて聴いたが、シンプルな演奏形式でもなおさらCoccoの歌声はぐいぐいと胸を刺す。
2曲目はCoccoもギターを持っての「Heaven's Hell」。この曲は4年前の沖縄ゴミゼロ大作戦のときに那覇中学校の吹奏楽部と一緒に演奏した曲だ。偶然にNEWS23で見て感動したっけ。しかし、すごいタイトルだよね。最初ギター間違えてやり直したりしてたけど、やっぱいい曲。後半の長田 進とのハミングが素敵だった。
3曲目はやはりCoccoもギターを弾いてのカントリー調の楽しげな新曲「ハレヒレホ」。4曲目も新曲で「小さな町」。Coccoは歌いながらタンバリンを叩くマイナー調のアップテンポな曲。この2曲は7月25日発売のNew Album「きらきら」の収録曲とのこと。
今にも折れてしまいそうなあの細い体から出ているとは思えないくらいに透明で力強い歌声。自傷癖があって、同じような想いを持つ人々からの圧倒的な支持を得ていた頃のCoccoは、痛々しくて見るのも聴くのも辛かったけど、「自分は唄うたいなんだ」とぴしりと道を定めて活動を再開してからのCoccoからほとばしるエネルギーは本当に物凄い。感動を通り越して圧倒されてしまってぐうの音も出ない。
そんな迫力のある歌声と対照的な、沖縄なまりだらけのふぬけたMCを初めて聞いたときは、その天然加減にびっくりして思わず笑っちゃったものだったけど、沖縄の事を真剣に語りながら気持ちを抑えきれずに涙ぐんでしまうようなときには、ぐいぐい引きずり込まれて歌と同じくらいに深く胸を打たれてしまう。
きっと話の内容というよりは、とつとつと語る彼女の強い想いそのものに激しく心揺さぶられるのだろう。言葉とともに溢れ出す、悲しみや怒りそして喜びが小さな爆発の連鎖を起こして誘爆してしまう感じかな。
今回は最後の曲の前に、そんなCoccoのちょっと長めのMCが入った。
だいたいどのバンドも「身の回りの小さな事から環境保護をやりましょうー。私もMY箸持ち歩いてますー」的なMCをしていた中、Coccoの話はやっぱり沖縄の海の話だった。
以下はその話と、そのあとの5曲目の歌詞です。
…
沖縄の女なので少し沖縄の話をします。
沖縄の海はまだ美しく見えます。
ジュゴンなんか見た事がない人が付けた
「ジュゴンの見える丘」っていう丘から臨む海は
まだ、とても美しく見えます。
その海にアメリカ軍のヘリポート移設が決まって
国はもう着工のために海底調査機を入れて、もう乗り出してます。
(許すなーとヤジが飛び、ちょっと苦笑い)
どんなに声をあげても拒絶しても諦めなきゃいけないことが
あるんだってどっかで覚悟しなきゃって思い始めていて
それで、かといって沖縄の人が全員そのへリポートの移設を
反対してるかって言ったら、そうじゃない事実もあって
飴と鞭の、ヘリポートが鞭だったら
飴っていう施しを受けてる大人の政治がある事も事実で、
そうじゃなくても私たち人間がぶちこわして来た尊いものが
いっぱいそこにあってそれを無くして失ってから
悔いて泣くしかないのかなって思う毎日でした。
でも、先月その海にジュゴンが帰ってきました。
ちょうどそのヘリポート移設の海の、
ちょうど国が設置した海底調査機の真上の
バカみたいに綺麗な海の上に、ジュゴンが2頭泳いでいる姿が
映像におさめられて、そのニュースは沖縄中に駆け巡りました。
いままで、自分は政治家じゃないし唄歌いだから
わからないけど歌うしか無いって多分やって来たけど
でも、6月23日の慰霊の日に
行政展のジュゴンの祈りみたいなあのとき、
こ*達はなにも守れなかったしなにもしてあげれなかったし
ブチ壊してきただけなのに、それでも戻って来てくれたジュゴンに
こは一生かけて向き合っていかないといけねえと思いました。
多分そのジュゴンのニュースが内地でどれだけ流れたかは
知らないけど、とっても美しいジュゴンでした。
こんなよ、公共の場所で、しかも人様のイベントで
こんなたくさんの人がいるところで
でも今日はわがままに歌わせて欲しいと思います。
次の曲を、あのジュゴンのためだけに歌いたいです。
「ジュゴンの見える丘」
まだ青い空 まだ青い海
終わりを告げるような真っ白い色
泣きたかろうに 引き受けた夢
しゃらしゃら珊瑚 声もあげずに
もういいよ 目を閉じていい
もういいよ 少しお休み
悲しみはいらない
優しい唄だけでいい
あなたに降りそそぐ全てが
正しい優しいになれ
色とりどりに きらめく世界
接いで剥いで 連ね 恥晒せ
どこへ向かうの? 泣き疲れても
名も無き花は咲いてくれよう
目を上げろ 帰って来たよ
目を覚ませ 信じて欲しい
悲しみはいらない
優しい唄だけでいい
あなたに降りそそぐ全てが
正しい優しいになれ
もういいよ 目を閉じていい
もういいよ 少しお休み
笑っていて欲しい
守るべきもの達に
明日訪れる涙が
正しい優しいであれ
悲しみはいらない
優しい唄だけでいい
あなたに降りそそぐ全てが
正しい優しいになれ
正しい優しいになれ
正しい優しいであれ
I believe and I'm sure we can do something for just love&peace,
thank you for been here tonight, thank you.
…
僕は見てないんだけど、NHK HiでLIVE EARTHの生中継を放送していた時に、Coccoの演奏後のインタビューがあったそうだ。テレビの司会者となかなか意思の疎通が出来ない中「なぜ、このコンサートに参加しようと思ったんですか」との問いに「・・・・出ないと・・・・・株主総会みたいになると思った」と答えたという。
チャリティ・コンサートに出演する有名ミュージシャン目当てに押し寄せる人々。幕間に9種類のゴミの分別を呼びかける主催者。「太陽発電のブースに遊びに来てください」とPRするNGOのチーム。
「環境保護」をテーマとした学園祭のようなお祭り騒ぎの中、少なくともCoccoだけは人々をはっとさせる瞬間を作る力を確かに持っていた。そして、最後の曲は主催者も観客も関係なく、ただジュゴンのためだけに歌われたのだ。
細くて折れそうだなんてとんでもない。これほど自分の周りの世界について、失われて行く自然について、ごく個人的に感じ続けられる人が他にいるだろうか。
もしかするとCoccoにとっての沖縄の海は、愛してやまない恋人のようなものなのかもしれない。そこにはエコも環境保護も入り込む余地など無くて、ただただ溢れかえる熱い想いがあるだけなのだろう。
New Albumが待ちどおしいが、収録曲のリストにはまだ作りたてだからなのか「ジュゴンの見える丘」は入っていなかった。
*Coccoはときどき自分のことを「こ」と言います。
ウチナークチなのか、調べてみたけどわからなかった。
どなたか知っている方がいたら教えてくださいませ。
MSN VIDEOのサイト でCoccoで検索するとこのライブの模様が見れるそうなので興味のある方はぜひご覧ください。WINDOWS環境のみなので僕は見れません…
<追記>YouTubeに動画が上がっていたので載せておきます。上に書いた沖縄の海の話〜ジュゴンの見える丘まで
関連リンク
OhmyNews
1年に一度──新たな「七夕伝説」を築く試み 日本テレビ NEWS ZERO 2007年5月31日放送
辺野古のジュゴンの海中映像(13分) 琉球朝日放送 Web Site
2007年6月21日 名護市大浦湾 ジュゴンの親子ゆったり
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