公開当時、駅のホームにヒロインのヤー!っと空を飛んでるようなポスターが貼ってあったけど「どうだろーねー」ぐらいにしか気にしてなかった。リメイクもんだしなあとタカをくくっていたら、これがなかなかどうして!
【続きを読む】
【折り畳む】
ちなみにヤー!っと飛んでるポスターというのはこれです。

一番上の踏切の前で振り向いてるバージョンのポスターを見ていたらもうちょっと気になってたかもしれないけど、やっぱりヤー!のポスターの方が躍動的なこの映画のイメージに合っているのかもしれないなーというのは見終わってからあらためて感じたことw
まあポスターの話はともかくとして、「時をかける少女」といえば、少年が虫をバラバラに解体するようなアマチュア的悪趣味にみちみちた大林宣彦監督の幼稚な映画しか思い浮かばなくて、なにしろ素材としての印象が悪すぎたから、公開当時話題になってるらしいとは知りつつもどっちにしても「見に行こう」とまでは思えなかったんだろうなー。すごく後悔。。(と大林監督を逆恨み) 既知のイメージに引きずられてしまう先入観とはホントオソロシイ・・・
そんなかんじだから当然ストーリーもほとんど覚えていなくて(筒井康隆の原作も読んでないし)今回もほんとになにげなく見たんだけど、大林作品はもちろんのこと、ヤー!のポスターからも想像できないほどの出来の良さにビックリだったのです。
舞台は現代の東京の坂の多い街。季節は入道雲わき上がる夏休み前。いまどきの高校生たちの数日間のおはなし。
ありていに言えば青春もの?w でもそんな言葉で簡単には片付けられないほど、主人公の真琴をはじめとした登場人物たちがほんとに活き活きと「今を」生きているのです。泣けるくらいに。いやまじで。
見終わって思い出したのは押井守監督の「
うる星やつら2 ビューティフル・ドリーマー」と、
高野文子の漫画「美しき町」。
それはきっとそれらの作品に溢れている、二度とは帰らないそのときだけのなにげない語らいや風や匂いの素敵さとおなじものを感じたからかな。
「追憶」というにはあまりに生々しく、それでいて鼻の奥がツン、と甘酸っぱくなるような空気感とでも言えばいいか。そういう意味では新海誠監督のデビュー作「
ほしのこえ」も同じかもしれない。
カッコつけて言えば、あっという間に消え去ってしまう瞬間のみが持つ永遠。古くは
アルチュール・ランボーの詩にまで遡ってもいいだろう。(リンクはいずれもWikipedia)
東京アニメアワードの大賞授賞式で角川書店の井上社長も言っていたけど、本当に「最後に人類が滅亡するわけでも巨大な戦艦や城が崩壊するわけでもない」、ある町の少女のひと夏の数日間の物語にこれだけ胸が震えるとは。
時間跳躍(タイム・リープ)ものだから当然ジャンル的にはSFに入るんだろうけど、それは藤子不二雄Fのいう「すこし ふしぎなものがたり」というS・Fかも。
それもこれも、壮大な時間旅行や歴史改竄などにはまるで興味がなく、そんなことよりカラオケで連続10時間歌いたかったり、限られたお小遣いでいっぱい美味しいもの食べたかったりするためだけに何度もちょこちょこ時間を巻き戻しちゃうヒロインの紺野真琴のおかげかなw そういえば真琴役の仲里依紗も、声優初挑戦のアイドルだとは思えないくらいのハマリ役だったです。
あと個人的に嬉しかったのは、最近よく行く東京国立博物館が物語の舞台として登場したこと。
絵画の修復をしている主人公真琴の叔母(通称魔女叔母さん)芳山和子が勤めているという設定なんだけど、2回見てやっとこの人が何者かわかりました(汗

真琴と和子 国立博物館本館ロビー階段にて
ネットでいろいろ調べてみたら、公開当初は東京都内では1館だけの上映で、同じ時期の「ゲド戦記」や「ブレイブ・ストーリー」などと比べても宣伝もほとんどされなかったにもかかわらず、ネットなどの口コミで人気がでていったそうだ。バカバカ宣伝すればどんなもんでもそこそこ儲かってしまうっていうつまらない力技ばかりが横行する中で、こういう話は嬉しいよねー。
そんなこんなで「時をかける少女」大幅イメージアップにつき、大林宣彦監督の映画も見直したくなりました(たぶんよくないんだろうけどネ)。
Time waits for no one
↑(゜Д゜) ハア??
【折り畳む】