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「純喫茶磯辺」再見 ~仲 里依紗の圧倒的な存在感~

磯辺1

吉田恵輔監督
2008年 日本

ひと月前に見たばかりで直後にミクシィのレビューにも駄文を書きなぐったばっかりなのに、なんかそのあともずーっと気になってて、今日改めてもう一回見た「純喫茶磯辺」という邦画。レビューにあらためて感想を書き込もうと思ったら、二度は書き込めないのね。なのでブログに書いてみた。


初めて見たときは、なにしろとにかく「アレ」ばっかしの台詞とか、居酒屋の客の外人が「とりあえずビール」を連発するとか、そんなレトリックがどうしたって気になったし、それはまるでほらアレだ、ユニコーンってバンドが流行った当時にどうしてもそのあざとさが気になって、結局好きになったのは奥田民生がソロでデビューしてしばらくしてからだった、ってのともちょっと似ているかもしれない。といってもこの映画の場合は「あざとい」ってほどでもないし、一発で大好きになってたんだけどね。
言ってみりゃ日本人が賢しげに日本をワラってみました的そんなレトリック。
話に出たついでにユニコーンの「ニッポンへ行くの巻」の歌詞でも思い浮かべてくれるといいのかもしれない。

なにしろ相手かまわずすぐにごにょごにょ口ごもってしまう特に主義主張も信仰も持たぬ小市民的な日本人を、戯画的なまでに誇張して描いているこの映画。
鼻につく人は鼻につくかもしれないけど、なんか身につまされるというか、憎めないというか、全編に漂う曖昧な空気が逆にリアルだったりもして。
宮迫演じるエロダメオヤジしかり、別れた妻で「アレ」の達人の濱田マリしかり、同じく「アレ」の達人で「毎回付き合う男に殴られる」という麻生久美子しかり。
彼らが醸し出す微妙な空気は、その時々でうまく行っていたり気まずかったり、時にはぶん殴られて鼻血を垂らすことがあったり、でも結局は絶対に破綻を来すことはなく。うだつのあがらぬ日々をぬるま湯加減で平穏無事に生きていくための、臆病者な日本人の知恵。

最初に見たときはどうしたってそうした描写ばかりに目が行ってしまったけど、二度目は不思議と気にならず、その分宮迫の娘、磯部咲子役の仲 里依紗の生々しい迫力を何倍も感じることができた。
この女子高生咲子の生臭さは、戯画的に描かれている大人たちの中にあってひときわ際立っていたみたい。ムカついた顔の不細工さ、ふとしたときの無心な表情の可憐さ、かわいく見せようとするときの醜悪さ、そして微妙な空気を一瞬でぶち壊す啖呵のものすごさ。本当に場面ごとに全部顔が違うのです。

下手をしたら三木聡的なゆるい脱力系の笑いのみに終始していたであろうこの映画は、仲 里依紗の圧倒的な存在感によって現代を代表する「邦画」と成り得たのだった!

磯辺4

関連外部リンク
仲里依紗&吉田恵輔監督 インタビュー『純喫茶磯辺』
映画芸術- 『純喫茶 磯辺』 吉田恵輔(監督)インタビュー



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