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東京国立博物館 平常展無料観覧日 ソノ3

芦雁図屏風 前回に続き、2階展示の後半をご紹介。
鎧兜のコーナーをだーっと流して、お次は屏風の部屋。
東博の本館は回廊式の造りになっていて、屏風の間はちょうど国宝室と対角の位置にある小さな部屋。そこに展示されている大きな屏風絵を、部屋の真ん中の椅子に座ってぼーっと眺めるのが毎回楽しみなのである。

芦雁図屏風/右隻芦雁図屏風/左隻

今回は「芦雁図屏風」という、六曲一双の屏風がとても素敵だった。
江戸時代前期のもので、作者は不詳なのだそうだ。あまり流派に詳しくないんだけど、これは何派の画風なんだろう。江戸時代のものだというのに、こんな大作の作者がわからないなんてこともあるんだな。

なにしろ構図が素晴らしい。飛来する雁と地に遊ぶ雁が右隻左隻で対になるように描かれている。雁の描写はパターン化されているのに不思議と愛らしさを感じさせるのも、配置の妙なのかも。
こうして写真に撮って切り取ってみると、それぞれの箇所が独立した絵としてもじゅうぶん成り立っていることがよくわかるでしょう?

芦雁図屏風芦雁図屏風 芦雁図屏風芦雁図屏風


屏風の部屋に続くのは、近世の漆器や陶器、着物などが並ぶ暮らしの調度のコーナー。漆器のコーナーは1階にあるんだけど、今回はここにも素敵な高台寺蒔絵が展示されていました。
左が「葡萄栗鼠蒔絵食籠」右が「菊蒔絵座屏」。ちょっと光量足りなかったけど、どちらも別の角度からも撮ってみたら、「菊蒔絵座屏」の裏面がカッコよかった!

葡萄栗鼠蒔絵食籠 葡萄栗鼠蒔絵食籠 側面から 菊蒔絵座屏 菊蒔絵座屏 裏面 裏面から
色絵菊水紋蓋物染付蘆雁図皿
焼き物で好きだったのは上の2点。左は伊万里・柿右衛門様式の「色絵菊水紋蓋物」。形といい、絵付けといい、とても繊細で素敵だった。西洋向けに作られたものなのかな?
右も同じ伊万里の古染付で「染付芦雁図皿」。やっぱりこの余白の空気感は日本独特のものだなあ。さっき見た屏風と同じ、飛来する雁と迎える雁の染付バージョン。東博の常設展示は、さりげなくこうした関連づけをするのがニクイ。なにげない皿だけど、すごく欲しくなりましたw


続く安土桃山~江戸時代の書画も毎回楽しみにしているコーナー。
下の掛軸はどちらも曾我蕭白の墨絵。左が「葡萄栗鼠図」で右が「牽牛花」。
葡萄栗鼠図/曾我蕭白 蕭白っていうと、変態チックなまでに密度の濃いちょっとグロの入った劇画っぽい絵という印象(どういう…)なんだけど、この掛軸はそんなイメージとはまるで違う、ほんとにこれ蕭白なの?と思わせるほどさらさらっと描かれた余白の美しい水墨画。
「牽牛花」ってのはなんだろうと思ったら、七夕の時期に咲くから、ということで朝顔の意。中国でそう呼ばれているらしい。でも真ん中にあるのは輪切りにした筍?いや、鉢なのか。ティーバッグみたいのは蔓を絡ませるもの?
牽牛花/曾我蕭白
その他好きだったものいくつか。下の画像の左の三幅ワンセットの掛軸は、長谷川雪旦という江戸末期の町絵師が描いた「月に秋草図」。中秋の名月を真ん中にして、右にそれ以前に収穫される麦と大豆を、左にそれ以降に収穫される稗・稲・粟を描いたものだそうだ。取り立ててすごいってわけじゃないけど、なんかいいかんじでした。
右はまたしても作者不詳の「秋草白菊図屏風」。六曲一隻の屏風絵で、江戸時代前期のものだとか。かなり渋くて好みだったんだけど、ちゃんと撮れた写真がこれしかなくてすみません。。
月に秋草図/長谷川雪旦秋草白菊図屏風
左の画像は、明珍清春という人の「自在鷹置物」。鉄、銅、銀などの素材で体の各部分が動くように作ってある自在は、天下太平となった江戸時代に甲冑師が生計を立てるために作り始めたものだという。いまでいうリボルテック・フィギュア?w
しかし、これは鳩みたいだよなー。
自在鷹置物/明珍清春
能面対面 次の部屋は、能と歌舞伎のコーナー。恥ずかしながら、能や歌舞伎の知識に乏しくて、個々の展示をあんまりちゃんと見たことがない。画像は、女の面が若い順に並べて展示してあった所。見入っているのがみな女性だったのが面白かった。てか、能面に見られているようでもあり。

最後は江戸時代の浮世絵や根付、衣装などを展示している部屋。
今回は僕が好きな所では鈴木春信や渓斎英泉などが出ていて、写真も撮ったんだけどみんなブレブレで掲載できまへんでした。あしからず~。なんせこの部屋は、なぜか他の部屋にもまして暗いのですよ。そんな中かろうじて判別可能なものをいくつかご紹介。
まずは、亜欧堂田善という人による銅版画で「スサキヘンテン」。浮世絵が並ぶ中にあって、かなり異質な感じだった。
タイトルは「洲崎弁天」のことで、洲崎は今の東陽町のあたりとか。江戸初期に埋め立てられたこの土地は、なんでも18世紀末に大津波があったそうで、水にまつわる弁天様を祀ったそうな。まん中に描かれているのは災害の惨状を記録した波除碑(なみよけのひ)のようです。しかし、中世ヨーロッパみたいな版画だよなーw スサキヘンテン/亜欧堂田善
月下砧打美人図/森玉僊 左の肉筆画の掛軸は森玉僊による「月下砧打美人図」。一階にも川合玉堂の「月下擣衣」っていう砧打ちの絵が出ていたし、この季節の風物詩だったんだろうなあ。
森玉僊は幕末に生きた尾張の浮世絵師で、喜多川歌麿と葛飾北斎の門下であった牧墨僊に師事したんだとか。そういえばどことなく北斎っぽいかも?
この絵の隣には、北斎の娘の応為による同名の肉筆画がありました。

下の画像は、歌川国芳筆「人かたまつて人になる」と「荷宝蔵壁のむだ書(黄腰壁)」。
美人画や役者絵を禁止した天保の改革下に、国芳は何度も奉行所に呼び出しを食らったそうだ。モダンな絵描きである以上に江戸っ子気質を持つ国芳のこと。猫を抱きかかえつつ「へい、あっしはただ壁を描いただけで」などとうそぶくさまが目に浮かぶw
人かたまつて人になる/歌川国芳荷宝蔵壁のむだ書(黄腰壁)/歌川国芳


というわけで、3回に渡った東博の無料観覧日の平常展の紹介はこれでおわり。
閉館のアナウンスと共に外へ出たら、ライトアップされた本館がキレイでした。
しかし、何度来ても平常展だけでおなかいっぱいになっちゃうよなー。


東博本館ライトアップ

関連text:
 東京国立博物館 平常展無料観覧日 ソノ1
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 東博常設展観覧の巻
 東京国立博物館 「博物図譜-写生とそのかたち-」後期展示
 東京国立博物館 「特集陳列 旅と街道」&特別展「仏像」
 東京国立博物館 「光彩時空」& 法隆寺館、本館常設展 

関連外部リンク:
 東京国立博物館 公式サイト

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