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特別展「染付-藍が彩るアジアの器」

passport2009.jpg東博の年間パスポートの期限が迫って来た。常設展は何度でもOKで6種類の特別展も見られちゃうこのパスポートは、4000円で1年間有効。
まだ5種類しか特別展を見ていないのに、このまま期限が切れちゃうのはもったいないと、さほど期待もせず半ば無理矢理でかけた「染付」展。青一色の焼物が並ぶしぶーい展覧会なのかなと思いきや、ところがどっこいこれが大当たり!

白磁にコバルトで絵付をしてから上薬をかけて焼く技法が中国で誕生したのは元の時代。そこからアジア各地に広がっていった「染付」を時代順に展示してありました。

とだけ書くと「へーそーですか」ってかんじなんだけど、まず会場を入った所にあった元時代の魚の絵柄の大きな壷が素敵すぎていきなり嬉しくなっちゃって、ごてごての中国柄の後に続くベトナムや朝鮮などの素朴さにほっこりし、日本の余白の美や遊び心には感じ入ることしきり。。 「青一色」だなんてとんでもない! 時代や地域ごとに、これほど様々なバリエーションがあるとは思いもしなかった。
好きだったものや面白かったものをほんのいくつか紹介してみます。

青花蓮池魚藻文壷 青花蓮池魚藻文壷
青花蓮池魚藻文壷  中国・景徳鎮窯 高さ28.2cm 元時代 14世紀
これがまずはじめに出迎えてくれた壷。魚も海藻もほんとに素敵でねー。
画像は同じ壷の表と裏。思わずぐるりと一周したくなってしまう図柄なので載せてみた。ちなみに名前の「青花」とは、中国で「染付」の意。


青花秋草文壷
青花秋草文壷
朝鮮 高さ27.5cm 18世紀
青花草花文瓶
青花草花文瓶
ベトナム 高さ28cm 15~16世紀
朝鮮とベトナムのものを1点ずつ。この素朴な感じがさりげなくて好きだった。
中国のびっしりと埋め尽くされた文様の後に見ると、なんだかほっとしたし。それにしても朝鮮の余白の感覚って、きっと日本のものとは別物なんだろうな。寂しげというか、儚げというか。ベトナムの染付は、安南焼の名で知られているもの。やっぱどこかしら南国チックなかほり?


祥瑞砂金袋水指
祥瑞砂金袋水指
中国・景徳鎮窯 高さ18cm 明時代 17世紀
呉州染付牛文十二角水指
呉州染付牛文十二角水指
中国 高さ18.3cm 明時代 17世紀
この二つはどちらも明時代の中国で焼かれたものなんだけど、発注元は日本の茶人なんだって。言われてみれば中国っぽくもあり和っぽくもあり、ちょっと不思議な感じかも。
きれいで真っ白な地に鮮やかな青で精緻な文様を施したものを「祥瑞(しょんずい)」、灰色がかった地に鈍い発色の青で簡素な文様を描いたものを「呉州染付(ごすそめつけ)」と呼ぶそうです。


瑠璃地染付蓮図水指 瑠璃地染付蓮図水指
伊万里 高さ20.8cm 江戸時代 17世紀
17世紀前半に朝鮮の陶工によって日本にも染付技法がもたらされた。秀吉が朝鮮出兵の「戦利品」として連れてきたって説もあり。んで、九州の有田地方で焼かれた染付を積出港の名前をとって伊万里焼としたそうだ。これは初期伊万里。やっぱ日本になるとなんか柔らかくなるよね。
sometsuke_5 染付兎形皿
伊万里 径15cm 江戸時代 17世紀
次第に中国の影響が薄れて自由奔放になってゆく伊万里焼。兎の形が浅い浮き彫りになっていたりして、ちょっとグロといえばグロw
染付岩鹿水禽図輪花鉢 染付岩鹿水禽図輪花鉢
伊万里 口径33.5cm 江戸時代 17世紀
染付岩鹿水禽図輪花鉢_1
洗面器みたいな大きな輪花鉢。画像だとわかりづらいけど、見込の外周部分には岩、竹、鳥、鹿などが描かれている。ことに岩の濃淡がすごく綺麗で引き込まれそうになった。
染付草花図輪花大皿
染付草花図輪花大皿
伊万里 径37cm 江戸時代 17世紀
今回の展示の中で一番好きだったもの。色といい、構図といい、形といい、なんかもう、完璧!
なんでも柿右衛門様式の染付バージョンで、「藍柿」と呼ばれるものらしいんだけど、その特徴まではよくわからない…。左右比対称の大和絵風の図柄とかなんとか。
青磁染付水車図大皿 青磁染付水車図大皿
鍋島 径30.5cm  江戸時代 17~18世紀
出ました鍋島。この時代のものとは思えないモダンさが異質な感じ。
小憎らしいほどに計算し尽くされた画面構成。しかし水は一体どっちに向かって流れているんだろう?水車の向きがぁああっ!なーんて考えてはいけないのだw
染付洗象図大皿 染付洗象図大皿
伊万里 径40.3cm 江戸時代 18~19世紀
最後の部屋にあった、江戸後期の伊万里焼を集めた「平野耕輔コレクション」より。伊万里焼の円熟期、といったところかな。明~清の時代に北京で行われていた「洗象」という年中行事の図だそうだ。
関係ないけど、この皿を見て「群盲撫象(ぐんもうぞうをなず)」なんて言葉を思い出してしまった。

とまあこんな感じで、ひとくちに「染付」といっても奥が深すぎ。伊万里だけでもどんだけ種類があるんだろう…。

それにしても、いつもの企画展の半分のスペースしか使っていなかったのに(もう半分は「伊勢神宮と神々の美術」展だった)、この密度の濃さはすごい!
また、展示に使われていたガラスケースがやけに味がある古いものだったり、「染付の美を活かす」と題して「朝食だったらこんな茶碗や皿」「酒のもてなしならこんな徳利や酒呑」「月見の茶会のセットにはこんな茶器」といったテーマを設け、藍染の布を敷いた台の上に時代場所を問わずいろんな染付を組み合わせてディスプレイしてみせたりと、なんというか、その端々に主催者の愛を感じるいい展覧会だったなあ。

染付展 図録 図録もいい感じで値段も手頃だったので、思わず買ってしまいました。

調べてみたらこの展覧会は新聞社などのスポンサーがついていない、東博だけの独自企画展示なんだそうだ。しかもこの企画展のために東博内でコンペもあったのだとか。愛を感じたのも道理?w
てか、何度も言うけど本当に素晴らしい展覧会でした。ますます焼き物にも愛着を感じられるようになったしねっ♪






関連外部リンク:
 東京国立博物館|特別展「染付-藍が彩るアジアの器」
 弐代目・青い日記帳|特別展「染付」



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