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NHKドキュメンタリー「ジャパニーズホラー ハリウッドへ」


「リング」「呪怨」などのジャパニーズ・ホラーと呼ばれるジャンルをヒットさせてきた映画プロデューサー、一瀬隆重についての2時間ドキュメンタリーを見た。

日本で大ヒットしたホラー映画「呪怨」は、ハリウッドでリメイクされこれまた全米ナンバーワンのヒットとなった。「リング」がハリウッドでリメイクされたときは、国内での製作のときに出資をしていなかったという理由でまったく参加させてもらえなかった一瀬プロデューサーだったが、「呪怨」のリメイク作「The Grudge」(邦題「The JUON」)では自らプロデュースするのみならず、監督も「呪怨」の清水崇を起用して臨んだところこれが大当たり。その手腕が評価され続編の「The Grudge 2」も同じスタッフで製作される事となる。そこに浮かびあがってくる日本とアメリカの映画製作のシステムや考え方の違いの中、日本映画を世界に売り込んでいこうとする一瀬プロデューサーの人物像を浮き彫りにしようという番組だった。

見終わった印象としては、一瀬隆重という人は、一時期テレビとかでもてはやされたりもしたエロ写真家、加納典明(懐)になーんか似てるなーってこと(爆
それは恰幅がよくて日に焼けていてハデなアロハを着ているから?w

まあそれはともかくとして、「呪怨」の清水崇監督のみならず「リング」の中田秀夫監督や「叫」の黒沢清監督らとタッグを組み、ジャパニーズ・ホラー(もしくはJホラー)というジャンルを確立した一瀬プロデューサーは、国内での高い興行実績のみならず、世界にもJホラーを知らしめた人だというのは確かなようだ。

ところでジャパニーズ・ホラーとはなにか。
ハリウッドのスプラッター系のホラー映画とは一線を画す日本独特の恐怖映画、ということらしいが、あくまでもそれは近年のものに限られるみたい。

Wikipediaでは以下のように定義されている。

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ジャパニーズホラー

通称Jホラーとも言われている。近年、日本のホラー映画(およびその外国でのリメイク作品)は国内のみならず海外においても好評を博しているが、それはアメリカ(特にハリウッド)などとは異なった、日本独自のホラー映画の文法を持っているからと言われている。一口にJホラーと言っても作品や作家(監督)ごとに特徴は異なるが、おおよそ下記のような特徴があると言われる。


Jホラーでは「怖い」と感じさせる部分では沈黙をあえて長くとり、登場人物が絶叫するシーンが少ない。この沈黙のために、急な効果音を挿入することで観客を驚かすことが出来る。

水を使ったシーンが多い。これは例えば、床にびしょぬれの足跡があっただけで、日本人は恐怖を感じるという民族性(?)からくる演出であると言える。

日常生活に欠かせないものを利用する頻度が高い。例えば、電話やテレビ、ビデオ、旧家など。そうすることで、観客に「もう使いたくない。」「映画の様な怖い事が、実際に起るかも知れない。」と言う心境を与える。

幽霊のデザインは海外のようなグロテスクなものではなく、女性や手だけのものが多い。特に「長い髪を前にたらした女の幽霊」はJホラーの代名詞として親しまれている。

残虐なシーンを避ける傾向にあり、電車に轢かれる・投身自殺するなどといったシーンで、直接的な描写は描かれないことが多い。

舞台の規模が非常に狭く、町ひとつ・家一軒だけを舞台にしているものが多い。展開が全国規模や世界規模にまで及ぶような作品は少ない。


元々日本映画においては『四谷怪談』や『化け猫』などに代表される「怪談」もののホラーの伝統はあったが、これらは総じて怨恨を理由とした復讐物であり、表現手法におどろおどろしさなどのホラー的な要素はあっても起承転結がはっきりしたハッピーエンドで終わるものが多かった。しかし、Jホラーはハリウッドのホラー映画と相違があるのと同様、このような日本の怪談・怪奇映画の伝統とも距離を置いており、独自のカテゴリーを形成している。

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一瀬プロデューサーは現在その日本の怪談ものの製作にも入っているそうで、そうなってくるとますますJホラーと従来の邦画に於ける怪談ものとの線引きが曖昧になってくるのだろうか。
たしかに「The Grudge 2」の製作会議でも、アメリカの出資者から「エンディングをもっと観客の度肝を抜くようなグロテスクなものに変更したい」とさんざん言われてもめてたりもしたので、ハリウッドのホラー映画とはやはり明らかに違うようなのだが、「リング」にしろ「呪怨」にしろ、笑っちゃうくらいコテコテにロコツな「怖いお化け」が出てきて脅かすわけだし、Wikipediaの「幽霊のデザインは海外のようなグロテスクなものではなく、女性や手だけのものが多い。」というのはちょっと違う気もする。

番組の中で清水崇監督が「日本独特のじわじわしのびよる怖い空気を表現したいのに、アメリカはすぐショッキングでグロテスクなものばかりを要求する。まあそうやっていろいろな意見を言われる事で自分の中だけで完結しないものが作れるのはいいんだけどね」と語っていました。なんでも1作目の「The Grudge 」では「わかりにくい」とエンディングの取り直しを命じられたらしく「2ではリベンジしたい」と言ってもいた。ただ番組で取り上げてた取り直し前のエンディングは日本人の僕が見てもなんだかなーというかんじだったんだけど・・・
案外「呪怨」よりはましな出来なのかもしれない気もしてきたので見てみようかなーw

というか、ぶっちゃけ僕にはいわゆるJホラーの怖さがまったくわからない。「リング」は貞子が画面にロコツに出てくるまではそれなりに面白かったし、映画の前半ぐらいまではまあまあ怖かった。でも「呪怨」に至っては、全身白塗りで目の周りを黒く塗った子供やが出てくるたびに笑ってしまって(というか引いてしまって)怖いなんて箇所は一個もなかった。なぜこんな映画がちまたでそんなに流行るのがわからない。B級お笑いカルト映画で話題になるってんならともかくねw
「幽霊の正体見たり枯れ尾花」じゃないけど、せっかくいいかんじに怖い空気なのに幽霊や化け物が出てきたとたんに興ざめしてしまう映画、というのが僕なりのJホラー観かも。

しかしアメリカの配給元がソニーピクチャーズだというのはまあわかるとして、「スパイダーマン」で今やドル箱監督となったソニーおかかえのサム・ライミ監督が日本版の清水崇監督の「呪怨」を身の毛がよだつ怖さだったと絶賛し、「The Grudge」では製作総指揮まで買って出たというのにはかなーりガッカリさせられた。
まあ個人的な趣味はともかく、自分の映画ではきっちり面白いものを作ってくれるからいいんだけどね。。

一瀬プロデューサーがもてはやされる理由のひとつにコストパフォーマンスというのがある。
なんでもハリウッド映画の場合は日本円にすると70億を制作費に50億を宣伝費にかけるためなかなか元が取れないらしいのだが、「The Grudge」の場合は製作に10億、宣伝費に30億で公開当時全米ナンバーワンの興行収入だったということだから無理はないw
このドキュメンタリー、映画がテーマなんだと思ってたけど、見ているうちに最近よくある成功したビジネスマンのドキュメントに見えてきた。一瀬プロデューサーは「The Grudge」の売り上げの分け前で、アメリカでの拠点とすべくハリウッドの豪邸を買ったそうだ。プールとかも普通にあるその家はなんでもその昔の20世紀フォックスの社長が建てた家らしいです。

また、お得意のJホラーのみならず最近では市川崑監督を引っ張りだしてきて「犬神家の一族」のリメイクをやるという。
「テレビでやったものを金もかけずにへへっと映画にするのはどうかと思う。ちゃんと金や時間をかけてこれぞ『日本の映画』と呼べるものを撮らなければいけない」と語っていたけど、それで犬神家のリメイクってのはどうなんだろう・・まあそれは市川崑監督のリクエストだということらしいけど。ちなみに製作費は10億かけるらしいです。ハリウッドでは安くても日本では大変な金額、なのかな?

黒沢清監督の「叫」のラッシュを一瀬プロデューサーと黒沢監督がふたりで見て、一瀬プロデューサーがいろいろダメだしをするシーンが面白かった。いやあ、ほんとハリウッド並みに口を出すんだね。「あそこはいらないからカットしたらどう?」とか。黒沢監督は例の調子で「うーん」と言葉を濁すのみで「まあいいです。じゃあ切りましょうか」ってかんじ。きっと一瀬プロデューサーとしてはもっとデスカッションしてよりいいものを一緒に作りたい、っていうかんじなんだろうが。
「The Grudge 2」の場合は「いろいろな意見を言われる事で自分の中だけで完結しないものが作れるのがいい」という清水監督が相手なので口を出すどころかラッシュ後のフィルムを一瀬プロデューサー自ら編集してしまう。
「作家重視の日本とビジネスとして映画を捕らえるアメリカとの違い」とか言ってたけど、この人は自分も作家だと思っているのか、はたまたアメリカナイズされたビジネスマンなのか。やはりプロデューサーという役職はなにをする人なのかいまいちよくわからない・・

「叫」はベネチア映画祭に出品されることになり「世界にJホラーをひろめたい」と語るバイヤーによれば100カ国以上からの買い付けがあったそうだ。他にも一瀬プロデューサーのコストパフォーマンスのよさを見込んだ20世紀フォックスから、アメリカのホラー映画のリメイクの商談が来たり(うちらが作る理由がよくわからない、と断ってた)パルプフィクションのプロデューサーから「一緒になにかやりたい。いいアイデアはないか。日本から世界に発信しよう」なんてオファーがあったりとまあモテモテぶりが披露されていましたw

加納典明に印象が似てると書いたけど、なんていうんだろう団塊の世代っぽいのかな。エネルギッシュでアブラギッシュでぎらぎらぎとぎとしているかんじ。土建屋が仕掛けた六本木ヒルズや東京ミッドシティがアートの新しい発信地となりかねない昨今、Jホラーが日本映画界を引っ張る、なんてことにならないことを切に祈りたい。




テーマ : 日本映画 - ジャンル : 映画

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