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「オールド・ボーイ」


oldboy

パク・チャヌク監督 2003年 韓国

ようやくちょっと梅雨の季節らしくなってきた雨の日。
こんな日は、だいぶ前に録画してそのままほったらかしていたビデオを見るにうってつけの日。
選んだ映画は「15年監禁された男の復讐劇」という予告篇がなかなか渋くて面白そうだった韓国映画オールド・ボーイ」。

髪の毛わしゃわしゃのヒゲヅラのおじさんがもうひとりの男のネクタイを掴んで、今にもビルの屋上から突き落とそうっていうシーンから映画が始まった。と思った途端に場面が変わり、今度はそのおじさんが酔っぱらって警察でさんざんクダを巻いているシーンが延々続く。
テンポのよいカット割となかなか味のあるおじさん(主人公)の芸達者ぶりに助けられて飽きることなく見れたけど、予告篇で抱いていたストイックでハードボイルドな印象とだーいぶ違うw それは酔っぱらいがクダを巻くというギャグっぽいシーンだから、ではなくて見せ方のせい。なので見続けてもその印象は変わらない。

コントラストの強いザラついた画面と、あざとく見える(というかありがちな?)素早い切り返しだらけのモンタージュ。うーむ。この監督ってテレビの人なのかな?市川準や大林宣彦みたいなCMあがりの人?それともこの画づくりはジャパニメーションの影響なのか?

酔っぱらって警察に保護され暴れている平凡なサラリーマンの主人公オ・デスを、友人が引き取りに来る。友人が主人公の家族に電話をしている間に、突然オ・デスは何者かに誘拐され、見知らぬ狭い部屋に監禁されてしまう。理由も相手もわからぬまま。やがて、その部屋のテレビのニュースで自分の妻が殺されたこと、自分が犯人とされていることを知る。オ・デスは復讐を誓い、脱獄するべく箸で壁を掘り続ける。拉致から15年が経ち、ついに壁の穴が外と通じた脱出目前のある日、オ・デスはガスで眠らされ、気がつくとあるビルの屋上に解放されていたのだった・・・

それが冒頭のビルの屋上のシーンに繋がっていくわけなんだけど、なにしろテンポがいいのでこの辺までは「うーん。どうなのよ・・?」と思いながらも一気に見れてしまう。
屋上のシーンで、主人公がネクタイ掴んで突き落とすかに見えたもうひとりの男は、たまたまそこに居合わせた自殺志願者で、主人公は突き落とすのではなくネクタイ掴んで自殺を止めようとしただけらしいんだけど、なんかただ映画冒頭の「つかみ」の画を撮りたいがために、そんなシーンを無理矢理作ったように見えちゃうんだよね。

場面場面の映像的な見せ方は巧いと思うけど、とにかくまったく必然性や空気感がない。そしてやたら饒舌。セリフがじゃなくて映画全体が饒舌。緊張の糸が張りつめる沈黙の間なんてどこにもありはしない。
主人公がハンマーで監禁部屋のオーナーの歯を抜く拷問シーンや、ヒロインとのセックスシーンや見所満載と言えばそうなのかもしれないけど、なにしろその全てがシツコイ。そのくせリアリティに欠けるので拷問シーンもちっとも痛くないし濡れ場も全然エロくない・・

いくら見せ方が巧くてテンポがあっても、空気感がないのでだんだん辛くなってくる。
でも現代版横溝正史的な謎解きストーリーが気になるので、おしっこを我慢してがんばって最後まで見たw
見終わった感想はただひとこと。「長いー」(爆

脚本は凝っててなかなか面白い話なのにもったいなさすぎだなーと思って、見終わってからネットでちょっと情報収集してみたら、原作は日本のコミックだそうな。原作と映画は別物だと思っている僕だけど、今回はちょっと原作読んでみたくなったかなw
でもほんと、音楽もいいしストーリーも悪くないし役者もみんな結構よかったのにな。
やっぱ監督が問題なのかなあ、と調べてみると、南北問題をテーマにした「JSA」を撮ったパク・チャヌクという人だそうだ。
うすっぺらいスパイアクション映画だった「シュリ」なんかに比べて、淡々と物語を積み上げていく「JSA」は結構いい感じだったのに、この「オールド・ボーイ」はどうもいただけない。予告篇で期待しすぎたか・・・ きっと偶然になにげなく見たのなら、これでも充分おもしろかったのかもしれないね。
あ、主人公役のチェ・ミンシクって「シュリ」にも出てるんだ。んでもって「シュリ」のヒロインはアメリカのTVドラマLOST(大変面白いのです)に出てるサン役の人なのか。ふむふむ・・・(横道にハマル)

今年の春にはアメリカのバージニア工科大学で、この映画に触発されたとされる銃乱射事件があったそうだ。
なんでもアメリカに渡ってから15年間いわれのない差別を受けたとする韓国系アメリカ人が、犯行前に「オールド・ボーイ」のスチール写真と同じポーズでハンマーを振り上げている写真や「タクシードライバー」のポーズで銃を構えている写真などををマスコミに送りつけていたとのこと。
(ニュースソース→J-CASTテレビウォッチ eiga.com 中央日報

しかしこんなリアリティに欠ける映画を模倣するなんてなあ・・・
いや、だからこそスタイリッシュな部分のみが浮き上がって模倣したくなるのかな。その意味ではタクシードライバーも同じなのかもね。
ちなみにこの映画は深作欣二監督の「バトルロワイヤル」とともにハリウッドでのリメイクの予定があったそうだが、この事件のせいでお蔵入りになったそうです。

それからこの映画はカンヌでグランプリを受賞したとのこと。
「えー大丈夫なのか、カンヌ・・」と思ったら、この年の審査委員長はクエンティン・タランティーノだったそうで、うんざりしつつ深く納得。。(このときのパルムドールは「華氏911」だし)

晩飯を食べながらテレビを見ていたら、wowowで「盗られてたまるか!」という明石家さんま主演の映画の韓国版リメイクをやっていたけど、これはさすがに途中で見るのをやめた。
どこかで見たようなカット割や80年代の日本のテレビドラマのような安っぽさ、ぱっと見が派手でわかりやすいVシネマのような演出などが「オールド・ボーイ」にも共通しているように思えた。うーん。こういう映画が最近の韓国では流行っている、ということなのだろうか。

でも、「韓流」と呼ばれるものについて語れるほど韓国映画を見ているわけではないし、「韓国映画なんてこんなもんだ」と決めつけたくはない。それを言うなら「流行ものなんてこんなもんだ」と言うべきだろう(決めつけw)。きっと底の浅いジャパニーズ・ホラーが受けている日本だって同じことなんだろうし。

そんなわけで今度は、やはり公開当時前評判の高かった韓国映画「子猫をお願い」でも見てみようかなー。


テーマ : 韓国映画 - ジャンル : 映画

タグ : 韓国映画 オールド・ボーイ JSA シュリ チェ・ミンシク パク・チャヌク

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