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「プライドと偏見」~くるんくるんと回る世界~

プライドと偏見1


2005年 ジョー・ライト監督

お固いタイトルのせいでなんとなく見ていなかった映画。
そうか「高慢と偏見」っていうブンガクの映画化なんだ、と気づいたのは見終わった後。

「赤毛のアン」とか「若草物語」とか、どうもこの手の文学作品は興味が持てない。なんにも知らないまま見始めて、少し昔の田舎の一家の少女たちの物語だとわかった始めのうち、ちょっと引いたりもした。

でも日の出から始まる映画のファーストシーン。
ヒロインらしき少女を追い続けるカメラは少女の周りの世界を写しながら動き続け、少女と別れて家の中に入り込んで進み、奥の扉から家を出ると再びまた少女と合流する。

お前は一体誰目線なんじゃ、と問う暇もなく田舎町で催された舞踏会のシーンでも、いろんな人を追ってカメラは動き続けて気まぐれに別の人を追ってみたり戻ったり。
そして始まる素朴でにぎやかなフォークダンスパーティ。
いろんな感情いろんな思惑が渦を巻きながら、カメラが、人々が、くるんくるんと回って踊る。

プライドと偏見2


二度目の舞踏会のシーンに及んでは、少女趣味ちっくなブンガクだとかなんだとかそんなことはもうどうでもよくなっていて、すっかりこの世界に魅了されて溶け込んでいることに気づく。
再び始まるダンスパーティ。踊りながら回りながら交わされる片言の言葉と言葉。なんて優雅なカメラワーク。

庭先に吊るしたブランコのロープをねじり、くるんくるんと回り続けるヒロイン。
彼女の視線でゆっくりと、くるんくるんと回る世界。
こんなスローモーションは見たことが無かったかも。
ヒロイン役のキーラ・ナイトレイの強い眼差しが見つめる世界。
それから、恋に堕ちた彼女が見つめる裸身彫刻の色っぽいことw

この映画が長編デビューだというジョー・ライト監督。
下手すりゃ陳腐になりがちな愛憎悲喜こもごもを、なんと気品に満ちた光と風の映画に仕上げたものか。 シンプルなピアノ曲のBGMもマッチしてて素敵。

「プライドと偏見」とか「高慢と偏見」とかどっちにしてもなんともひどい直訳だ。
でもこれは映画のせいって言うよりは、その名で慣れ親しまれてしまったブンガクのせいなのかもな。


関連text:
 「つぐない」~純潔な神が焦がれたほの暗い水の底~


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